こんにちは!
滋賀県近江八幡市で、
創業天保元年から6代続く石屋、
兼子石材店の店主・兼子裕司です。
自己満足かも分かりませんが、
ものづくりが大好きで、42年間石屋をやってきたワシの経験と思いを書いているブログです。
お墓を建てる墓地。
霊園などでは、
一区画ごとに大きさや位置が、
そこそこキチンと決まっている所が多いと思います。
では、
昔からある墓地も同じでしょうか?
ワシらの地域には、
昔、土葬をしていた墓地もたくさんあります。
そういう墓地に行くと、
今の霊園のように区画がキチンと揃っていない所もあります。
囲い石の位置や向きもバラバラ。
墓地の境を示す石の印がある所もあれば、
中には、
通路より少し土が高く盛ってあるだけ、
という所もあります。
こんな墓地に新しくお墓を建てる時、
ワシが一番気になるのが、
「この区画は、どこからどこまでなんやろう?」
ということです。
今日は、
「昔からある墓地、区画の大きさはどう決める?」
について書いていきたいと思います。
昔からある墓地へ行くと、
まずワシは、
お墓が並んでいる列の端から端まで、
糸を張ることがあります。
だからと言って、
その糸に全部のお墓を合わせるわけではありません。
昔からある墓地では、
それぞれのお墓の位置や囲い石の通りが、
バラバラになっていることが多いです。
糸を張るのは、
他の区画がどんな通りになっているのかを見るためです。
そこから、
墓地の境を示す石の印があるか、
周りのお墓の囲い石がどのように据え付けてあるか、
一つずつ確認していきます。
墓地の境を示す石の印があれば、
そこを境にしていることが多いです。
でも、
すべての墓地に石の印があるわけではありません。
先ほど書いたように、
土を少し高く盛ってあるだけの所もあります。
そんな所で、
ワシら石屋だけの判断で、
「たぶんここからここまでやろう。」
と決めてしまうわけにはいきません。
初めて行く墓地なら、
お施主様に、
管理委員さんにも立ち会ってもらうようお願いしています。
それと大事なのが、
その区画の周りのお家の方です。
管理委員さんだけではなく、
周りのお家の方にも来てもらい、
ここにこれくらいの囲い石を据えます、
ということを確認してもらいます。
寸法を言うだけでは、
なかなか分かりにくいと思います。
だから、
地面に線を引いたり、
糸で囲ったりして、
実際にどこまで囲い石がくるのかを見てもらいます。
そして、
皆さんに納得してもらってから仕事を進めます。
なぜここまで確認するのか。
お墓は一度建てたら、
簡単に動かせるものではありません。
建ててから、
「そこはうちの場所や。」
「もう少しこっちやった。」
となったら大変です。
特にワシが一番気になるのが、
区画の大きさと位置です。
ここを最初にキチンと決めておかないと、
後からもめる元になります。
それと、
もう一つ考えておかなければならないものがあります。
「基礎」です。
完成したお墓を見ても、
基礎はほとんど見えません。
でもワシは、
囲い石より少し大きめに基礎を打ちます。
ということは、
地上に見えている囲い石だけを見て、
「ここまでなら大丈夫。」
というわけにはいきません。
その下に作る基礎の大きさまで考えて、
囲い石の位置や大きさを決める必要があります。
お墓を建てるとなると、
石の種類や形、
どんな文字を彫るか、
そんなことを先に考えられると思います。
もちろん、
それも大事です。
でも、
その前に決めておかなければならないことがあります。
「どこに、どれだけの大きさのお墓を建てるのか。」
特に昔からある墓地では、
これが簡単に決められないことがあります。
だからワシは、
現場を見て、
管理委員さんやその区画の周りのお墓の家の方にも確認してもらい、
納得してもらってから仕事を始めます。
石を据えてしまってからでは遅い。
お墓を建てる仕事は、
石を据える前から始まっていると、
ワシは思っています。