こんにちは!
滋賀県近江八幡市で、
創業天保元年から6代続く石屋、
兼子石材店の店主・兼子裕司です。
自己満足かも分かりませんが、
ものづくりが大好きで、42年間石屋をやってきたワシの経験と思いを書いているブログです。
お墓を選ぶ時、
石材店のホームページや写真を見て決められる方も多いと思います。
その時に一番よく見ているのは、
お墓を正面から見た姿ではないでしょうか。
でも実際に建ったお墓は、
正面からだけ見るものではありません。
横からも見ます。
墓地によっては後ろから見える事もあります。
ワシら職人がお墓の形を考える時は、
正面だけを見ているわけではありません。
今日は、
「お墓は、正面から見た形だけで決めて良い?」
について書いていきたいと思います。
昔から建っている和型のお墓は、
形も決まっています。
見慣れているせいか、
違和感がありません。
でも洋墓やデザイン墓になると、
色々と考えてしまいます。
まずは全体の大きさ。
その場所に合った大きさを決めます。
お墓は外に建てるものです。
工場の中で見ているよりも
建ててしまうと小さく見える事があります。
そう言う事も踏まえて考えていきます。
次に考えるのが、
一番上の文字を彫る石の大きさです。
正面から見れば同じような大きさに見えても、
横から見ると印象が全然違う事があります。
奥行が薄ければスッキリ見えるかもしれませんが、
ワシには少し貧弱に見える事もあります。
逆に奥行があるとどっしり見え、
安定感も出てきます。
しかし奥行を取りすぎると、
今度は重たく見えてしまう事もあります。
まず上の石の大きさを決めていかないと
その下の台の大きさも決まりません。
上の石が決まると、
下の台の大きさです。
上の石を下の台に載せた時、
下の台をどれくらい外へ出すか。
この外へ出て見えている部分を、
ワシら石屋は「チリ」と呼んでいます。
このチリをどれくらい取るかによっても、
お墓の見た目のバランスが変わってきます。
ほんの少しの違いでも、
正面だけでなく、
横から見ても、
斜めから見ても、
後ろから見ても、
お墓の印象が変わってきます。
上の石を大きくすれば、
当然下の石も大きくなります。
何もかもが大きくなっていきます。
もちろん、墓地の区画に合った大きさならいいのですが、
大きくすれば良いというものでもありません。
使う石の量も増えて金額も上がっていきます。
なかなか大きさを決めるのも難しいです。
建てた後、
「もう少しこうやっとけば。」
って思う事もあります。
「バランスをとる」
というのは、
なかなか難しいです。
お客様には完成図面は渡しますが、
それを見ても、
完成の感じは分かりにくいのではないでしょうか。
立体と言うのは感じをつかむのが難しいです。
ワシらも正面だけでなく、
横から見た時、
斜めから見た時、
色んな方向から見た時のバランスを考えながら作っています。
それでも、
「もっとこうしたら良かったかな。」
と思う事があります。
いろんなものを見て、
もっと感性を育てていかないといけませんね。
一生勉強です(笑)